ちょめちょめブログ

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「機能化学」とは @tapt_

みなさんこんにちは。

ちょめちょめです。

 

台風の接近により早めに退勤したので、暇つぶしがてら記事を書きました。

 

本日の記事は「機能化学」について解説します。

 

1940〜1950年代にかけて、「高分子材料革命」といわれる大きな変革をもたらした石油化学工業もロッキード事件が起きた1970年代には成熟産業になりました。そこから、日本の化学産業は機能化学への事業シフトを図り、この分野においては世界をリードするようになりました。

 

◇日の丸化学産業の戦略

日本の化学産業は、1960年代に欧州各国を追い抜き、アメリカに次ぐ第2位の生産国になりましたが、2000年代に中国にあっさり抜かれて世界3位になりました。今では韓国が迫ってきています。

これに対し、日本の化学メーカーは2つの戦略をとりました。

①強力な事業に力を集中させ、その事業をグローバルに展開することで新しい成長を求める戦略です。

いわゆる「ニッチトップ」もこれにあたります。

②新しい化学産業分野を生み出すことにより成長を求める戦略です。

ミドリムシを活用したビジネスをしているユーグレナ等 などのケミカルバイオロジーや化学産業の技術を用いて海水を蒸発させずに淡水化できる逆浸透膜などの開発を行う日東電工などの水ビジネスなんかがあてはまります。

 

電子材料

日本の化学メーカーは、バイオテクノロジーとエレクトロニクスに力を入れ、研究集約型産業へと変化し、新たな化学産業の創造を行ってきました。

しかし、バイオテクノロジーからは大きな成果が挙げられませんでした。多くの化学メーカーで目標としていた医薬品・医療産業と農業が日本においては規制が強すぎる上に国際競争力のない分野であったためです。

一方でエレクトロニクスからは、電子材料と呼ばれる新しい化学産業分野を生み出すことに成功しました。日本には過去に強力な電機産業(日立製作所パナソニックNEC東芝富士通三菱電機など)が多く存在していたことが関係しています。

今はどこも大変そうですが……。

 

◇機能化学工業

「そもそも機能化学って何じゃい?」と思われる方もいらっしゃると思います。

機能化学は「今までの化学製品の機能を遥かに超えた機能」や「今まで提供できなかった機能」を追求する化学というご理解を持っていただければいいと思います。

その意味で、有機化学無機化学や高分子化学といった学術的な体系を持つ言葉とは少し違っています。

化学製品にはそれぞれ独自の機能を持って使われているので、「機能化学」という言葉を理解するのは難しいと思います。

機能化学が台頭するようになってきたのは1980年代からです。その頃は、プラスチックの耐熱性と強度の限界を追求した結果、「(スーパー)エンジニアリングプラスチック」が生まれました。

 

※エンジニアリングプラスチック:ポリエチレンなどの汎用樹脂に比べて耐熱性や強度などが優れている合成樹脂のこと。ナイロン樹脂やポリアセタールやポリカーボネートなどが例。

※スーパーエンジニアリングプラスチック:熱変形温度がかなり高い樹脂。汎用樹脂が100度以下、エンジニアリング樹脂が150度以下であるのに対し、200度や300度レベルにも達する。ポリアミイミドやポリエーテルイミドなどが例。

 

エンジニアリングプラスチックは、半導体産業に活用され、ディスプレイ産業に活用され、今では電池や照明産業への活用がされています。

しかしながら、機能化学分野においても韓国や台湾や中国などのアジア先進国の台頭が目立ってきており、このままだと抜かれてしまう日も近いと考えています。

 

◇代表的な機能化学製品

・フォトレジスト(http://tapt.hatenablog.jp/entry/2018/08/09/080455)

世界シェア1位:JSR

2位:東京応化工業

 

・シリコンウェハー

世界シェア1位:信越化学工業

2位:SUMCO

 

炭素繊維

世界シェア1位:東レ

2位:三菱ケミカル

 

・EMC(エポキシモールドコンパウンド)

世界シェア1位:住友ベークライト

2位:積水化学工業

 

 

いかがでしたでしょうか。

日本の化学メーカーが世界シェアを握っている分野の多くが機能化学分野です。

アジア先進国が急速に研究開発を行っており、日本との差は確実に縮まってきています。

 

今後の日本の化学メーカー各社の戦略から目が離せません。

 

以上終わりです!